抗がん剤治療中に筋肉が減ることは避けたいのですが、副作用では味覚や嗅覚の障害がでて、食べられるものが限定されることが問題となります。そこで、今回は、抗がん剤治療中でも比較的食べやすいものを5つ紹介します。
はじめに
今回は、抗がん剤治療中におすすめの食べものを5つ紹介します。
先日のニュースですが、食道がんを告白した秋野暢子さんが、抗がん剤1クール終了で「筋肉は落ちるのが早い」「ヤバイヤバイ」とお話されています。
たしかに、抗がん剤治療中に筋肉が減少すると、治療効果が下がるといわれていますので、できるだけ筋肉を維持することが大切です。
そこで、秋野さんは病室で軽い筋トレを始めたとのことで、とてもいいことだと思います。同時に、抗がん剤の副作用で、食欲がなくなることが問題です。
これは、抗がん剤の副作用で、吐き気やむかむかもあるのですが、それだけでなく、味覚や嗅覚の障害がでることも問題となります。
つまり、味や匂いが以前と変わってしまって、好きだったものが嫌いになることがあります。
こちらの、2020年に日本人の肺がん患者さんを対象といたアンケート調査では、抗がん剤治療によって、食べものの味と匂いが変化していたとのことです。
とくに、たばこを吸っている人や過去に吸っていた人では、味の変化をより多く感じていたとのことです。
さらに、この研究では、味覚や嗅覚の変化によって、きらいになった食べもの、食べることができた食べものを調べていますが、まず、嫌いになったものは、炊いたご飯、あるいは、お寿司だったとのことです。あとは、カレー、キムチなどがありました。
一方で、食べることができたものは、うどんや素麺(そーめん)でした。
ただし、うどんや素麺だけでは、やはり、タンパク質が不足してきます。
そこで、今回は、抗がん剤治療中におすすめの食べものを紹介します。
抗がん剤治療中におすすめの食べもの3つ
ポイントは、3つあります。
まずは、匂いが弱いもの、そして、あっさりしているもの(油っぽくないもの)、さらに、高タンパク質の食べものです。
1.ヨーグルト
まずは、ヨーグルトです。
これは、先ほどの研究でも、ヨーグルトの匂いは、抗がん剤治療後もあまり変わらなかったとのことですので、食べることができると思います。
最近では、高タンパクのヨーグルトも売っていますので、試してみてもいいと思います。
2.牛乳または豆乳ゼリー
2番目は、牛乳または豆乳ゼリーです。どちらもタンパク質が豊富ですし、ゼリーにすることで、独特の匂いも少なくなります。
3.茶碗蒸し
3番目は、茶碗蒸しです。
ただ、熱いと匂いが気になる人がいると思いますので、冷ましてから食べるといいと思います。
卵にはタンパク質が含まれていますので、おすすめです。
具に鶏肉やそぼろなどを入れると、さらにタンパク質の量が増えます。
4.豆腐
4番目は、豆腐ですね。冷や奴や湯豆腐があっさりとしていて、いいと思います。
どちらがいいかは、お好みだと思います。
5.鶏のつみれ汁
5番目は、鶏のつみれ汁です。あっさりしていますし、タンパク質も豊富です。
魚のつみれだと、匂いがいやな人がいると思いますが、鶏肉のつみれは、大丈夫なかたが多いようです。
次点:モッツァレラチーズ
次点としては、モッツァレラチーズです。これも、あまり匂いがなくて、食べやすいと思います。タンパク質も豊富です。
まとめ
以上が、抗がん剤治療中におすすめの食べものでした。
味覚や匂いが変わって、食べられるものが少なくなるとは思いますが、なんとか、こういった食品や栄養補助食品で、治療を乗り切っていただきたいと思います。
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