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がん治療で成功のカギをにぎるのは?運や病院選びよりもセルフケアの重要性

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がんの治療で成功の鍵を握るのは何でしょうか?色々な意見がありますが、私が考える成功の秘訣は、「運」や「病院・主治医の善し悪し」だけではなく、毎日コツコツ続ける「セルフケア」だと思います。治療がうまくいく可能性を高めるために、自分自身でできることがあります。

はじめに

皆さんにお聞きしたいのですが、がんの治療で成功のカギを握るのは何でしょうか?

一般的には、「運」で片付けてしまうことが多いように思います。

運がよければ治るが、運が悪ければ治らない、だから、患者さんにはどうすることもできない、という考え方です。

もちろん運も大事ですが、そんなに単純なものではありません。

がん治療がうまくいくかどうかを左右する因子には、様々なものがあります。

がん治療が上手くいくかどうかを決める因子

大きくわけると、医療者側の因子と、患者さん側の因子にわけることができます。

ただ、多くの場合、医療者側の因子ばかりがクローズアップされています。

まず、医療者側の因子ですが、これには、選択した治療の効果、医師の経験、技量、そして病院のボリューム(治療件数)などがあります。

当たり前ですが、選んだ治療の効果が高いかどうかは重要です。

また、医師(主治医)の経験や技量によって治療がうまくいくかどうかが影響を受けることがあります。

さらには、病院の質(医療レベル)も関係あります。

がんの種類や治療法にもよりますが、一般的に治療件数が多い病院のほうが、治療がうまくいくことが研究からも明らかになっています。

つまり、病院の実力も治療がうまくいくかどうかを左右するのです。

ですから、より大きな専門性の高い病院を選ぶこと、(えらべない場合が多いのですが)経験豊富な主治医に当たることが重要になってきます。

一方で、あまり知られていませんが、治療の成功を左右する因子として、患者さん側の因子もあります。

これには、年齢、ADL(日常における活動性)、生活歴(喫煙など)、基礎疾患(持病)、栄養(免疫)状態、そして、持久力・筋力などがあります。

この医療者側の因子と患者さん側の因子を比較すると、じつは、患者さん側の因子のほうが影響力が大きいこともあります。

極端な話、どんなにいい病院で、どんなにいい主治医から、どんなにいい治療を受けたとしても、患者さんの体力がなかったら、うまくいきません。

重要なのは、患者さん側の因子のなかには、自分自身で改善可能なものがあるということです。とくに、筋肉量の減少、低栄養状態、そして、精神的ストレスについては、改善する手立てがあります。

これがセルフケアの考え方です。

がん患者さんのセルフケアの3つの柱は、運動(有酸素運動と筋トレの組み合わせ)、食事療法(タンパク質を意識した食事メニュー)、そして、精神的ケア(瞑想やヨガ)です

この3つをぜひ、日々の生活に取り入れていただきたいと思います。

まとめ

がん治療の成功を左右する因子のうち、患者さん側の因子はセルフケアで改善できるものがあるというお話でした。

病院や主治医、治療法は、ひとたび選んでしまったら、信じるしかないのですが、だからといって、なにもできないわけではありません。

セルフケアによって、治療が成功するチャンスを高めることはできます

ですから、毎日、できることをコツコツとやってみてはいかがでしょうか?

 

#がんセルフケア #運動 #栄養 #食事療法 #メンタルケア

  • この記事を書いた人

佐藤 典宏

外科医(産業医科大学第1外科講師)/がん研究者/YouTube「がん情報チャンネル」登録者2万人突破!/著書に『ガンとわかったら読む本』『がんが治る人 治らない人』『がんにならないシンプルな習慣』など。がん患者さんと家族に役立つ情報を発信します。

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