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【2023 新春企画】最強の抗がん「おせち」ベスト5:がん予防・治療サポートにつながるおせち料理を紹介

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あけましておめでとうございます。お正月ということで、がんの予防・治療サポートにつながる、抗がん「おせち料理」を5つ紹介したいと思います。

はじめに

新春企画ということで、今回は、がんの予防・治療サポートにつながる「抗がん」おせち料理を紹介したいと思います。

最近では、おせち料理をあまり食べなくなったご家庭も増えていると聞きます。

ただ、あらためて日本古来の「おせち料理」を見直してみると、使っている食材や調理法が非常に健康的であることがわかります。

とくに、がんの予防には欠かせない定番メニューがあることを再確認しました。

というわけで、最強の抗がん「おせち料理」ベスト5を紹介します!

最強の抗がん「おせち料理」ベスト5

第5位 田作り(ごまめ)

田作り(ごまめ)は、カタクチイワシを煎って、砂糖や醤油で煮て、あまからく味付けしたものです。

このカタクチイワシ(煮干し)には、100gあたり2200mgものカルシウムが含まれていますが、多くの研究によると、食事からカルシウムをより多く摂取することで、大腸がんのリスクが低下することがわかっています。

例えば、日本の多目的コホート研究でも、カルシウムの摂取量が最も多いグループでは男性において大腸がんのリスクが40%近く低くなっていました。

また、ナッツにもがん予防効果が確認されていますので、クルミやアーモンドと和えてもいいですね。

第4位 ブリ

おせちと言えば、ブリの照り焼きなど、ブリを使った料理が定番ですね。

ブリなどの青魚の脂には、海洋性オメガ3脂肪酸のEPAやDHAが豊富に含まれています。

この海洋性オメガ3脂肪酸を多く摂取する人では、大腸がん、すい臓がん、乳がんのリスクが低いことが報告されています。

また、がんの診断後に海洋性オメガ3脂肪酸を多く摂取することで、生存期間を延長させる効果があるという研究報告もありますので、がん患者さんにもとってもらいたい栄養素です。

ブリ100gあたりEPAとDHAを合わせた含有量は2640mgです。

ですから、ブリの照り焼き一切れで、一日に摂取したいEPAとDHAの量を摂れることになります。

第3位 たたきごぼう

たたきごぼうは、ごぼうをたたいて、味が染み込みやすくして、ゆでて、ごまと和えて味付けをするだけのシンプルな料理です。

「ごぼう」などの根菜類には、食物繊維がたくさん含まれています。

とくに、ごぼうには、100gあたり5.7gも食物繊維が含まれていて、ダントツで食物繊維が多い野菜として有名です。

しかも、不溶性食物繊維だけでなく、水溶性食物繊維も多く含まれています。

食物繊維は「プレバイオティクス」、つまり善玉菌のエサとなって腸内環境を改善することで、免疫力を高めて感染に負けない強いからだを作るために必須の栄養素です。

また、実際に多くの研究によって、食物繊維を多く摂取する人では、大腸がん、肺がん、すい臓がんなどのリスクが低下することがわかっています。

ということで、第3位はたたきごぼうでした。

第2位 黒豆

黒豆はおせち料理の定番で、我が家でも毎年たくさんいただきます。

黒豆は、皮が黒い大豆のことで、正式名称は「黒大豆」です。

大豆には、がんを予防する効果が確認されています。

例えば、過去に報告された80件以上の前向き観察研究を集計した解析では、大豆を多く摂取するグループでは、すべてのがんの発症リスクが10%減っていたということです。

また、大豆とがんによる死亡率との関係を調査した研究では、大豆を多く食べることによって、胃がんによる死亡リスクが51%、卵巣がんによる死亡リスクが48%、大腸がんによる死亡リスクが41%も低下していたとのことです。

以上、黒豆は、ぜひお正月に食べてもらいたい「抗がん食品」です。

第1位 煮しめ

いろいろな野菜、里芋、こんにゃく、シイタケ、鶏肉などを煮込んだものです。

地方によって呼び方が違うかもしれませんが、筑前煮やがめ煮とも呼ばれています。こちらでは、「がめ煮」と呼んでいます。

これは、たたきごぼうと同じですが、根菜類やこんにゃく、しいたけなどに豊富な食物繊維が含まれています。ですから、がんの予防には理想的な食べ物といえます。

 

また調理法に関しても、おせちは、煮しめのように「煮物」が中心ですので、高温で調理する食べ物に比べて、がんの原因となるAGE(終末糖化産物)が少ないというメリットがあります。

最近では、お正月も、お寿司や揚げもの、あるいは焼き肉など好きなものを食べる家庭が増えていて、「おせち」を含めて昔ながらの和食はあまり食べなくなった気がします。

ただ、がんが増えている原因のひとつとして、こういった食の変化といいますか、和食離れもあると思います。

おせちをきっかけに、和食のよさを見直してみてはいかがでしょうか?

というわけで、抗がん「おせち」5品というお話しでした。

 

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  • この記事を書いた人

佐藤 典宏

外科医(産業医科大学第1外科講師)/がん研究者/YouTube「がん情報チャンネル」登録者2万人突破!/著書に『ガンとわかったら読む本』『がんが治る人 治らない人』『がんにならないシンプルな習慣』など。がん患者さんと家族に役立つ情報を発信します。

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