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「がんが治る人」外科医が手術1000例を超えて気づいた3つのこと

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外科医になって、30年近く経ちます。これまでに、がんの手術を中心に、1000例以上の手術を経験してきました。「がんが治る人」について私が気づいたことを3つお話します。

はじめに

私が外科医になって、30年近く経ちます。

これまでに、がんの手術を中心に、1000例以上の手術を経験してきました。

もちろん手術がうまくいって、癌が治っていった患者さんもたくさんいましたし、
残念ながら、再発して亡くなった患者さんもいました。

また、がんと上手に付き合いながら、元気に長生きされている人もいます

こういった患者さんを経験して、私自身が、色々なことを教わりました。

今回は、 多くのがん患者さんを見てきて、外科医の私が気づいたことを三つお話します。

がん手術1000例を経験して外科医が気づいたこと3つ

外科医の気づき:その1

がんは、我々(医療者)が治すものではなく、最終的には「患者さん自身のちからで治る」ということです。

どんなに完璧な手術をしたり、有効な抗がん剤を使ったとしても、全てのがん患者さんが治るわけではありません。

ですから、癌を克服するためには、現時点で最も優れた治療を行うということは当たり前ですが、それに加えて、患者さん自身の治癒力が必要だと感じています。

我々医療者は、患者さんが自分自身で治っていく過程を、邪魔をしないで、サポートする、そういう役割を果たさないといけないと思います。

外科医の気づき:その2

がんを克服するためには、病院が提供する治療に頼るだけでなく、生活習慣、食事、運動、ストレスの対処法がとても大切ということです。

癌を克服するためには、病院での治療を信じて受けることは重要ですが、そればかりに頼るのではなく、自分でもできること、例えば生活習慣を変えたり、食事を工夫したり、運動をつづけたり、ストレスに対処する方法を身につけたりする、いわゆるセルフケアを取り入れることも必要だと感じます。

そして、自分自身が自分の主治医になって、自分のがんを治すんだと言う気持ちも大切です。

外科医の気づき:その3

がんが治った人は、がんになる前とは別人(変わることが必要)ということです。

がん患者さんと、治療前から治療後、そして、何年もの間、お付き合いさせていただくと、癌が治った人は癌になる前とは別人になっていることに気づきます。

これは、先ほどの話に通じるんですけれども、癌になったことをきっかけに、いい意味で、自分自身を変える努力をされたのかもしれません。

もちろん健康的な生活習慣を取り入れるようになった人が多いんですけれども、癌の診断前よりもむしろ元気に過ごされている人もいらっしゃいます。

まとめ

以上が、1000例以上のがんの手術を経験して、私が気付いた三つのことでした。

これは、単純に私の感じていることであって、医学的根拠も何もありません。もちろん例外もあります。

ただ、長年の経験に基づいた真実も含まれていると思います。

がんを克服するために必要な5つの力

最後に、 がんを克服するために必要な五つの力というお話をします。

以前出版した「癌が治る直らない人」の中でも紹介しましたが、

がんが治る人に共通した5つの力とは、

  1. がんである事実を受け入れてできるだけ早く立ち直る「受け入れ力」
  2. 情報を集めてベストの治療を選択する「情報力」
  3. 主治医や周りの人とコミュニケーションをしっかりとって、みんなを味方にする「コミュニケーション力」
  4. 治療をのり切る「体力(とくに筋力)」
  5. がんを寄せ付けない「免疫力」

がんを克服するためには、この5つの力が必要だと感じています。

 

#がんが治る人治らない人 #外科医

  • この記事を書いた人

佐藤 典宏

外科医(産業医科大学第1外科講師)/がん研究者/YouTube「がん情報チャンネル」登録者2万人突破!/著書に『ガンとわかったら読む本』『がんが治る人 治らない人』『がんにならないシンプルな習慣』など。がん患者さんと家族に役立つ情報を発信します。

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