あけましておめでとうございます。2022年が皆様にとってよい年になるようお祈り申し上げます。今回は、がん患者さんにって「神に病気の治癒を祈願すること」の意味をお話します。
はじめに
毎年、初詣に行く人や、年に何度も神社に行って参拝する人もいると思います。
願いごとはひとそれぞれですが、がん患者さんやご家族の願いは、やはり、どんな状況であれ「がんが治ること」あるいは「がんがあっても、元気に暮らすこと」ですよね。
お参りに行くと、おそらく「がんが治りますように」、「再発しませんように」とか、「治療がうまくいって長生きできますように」といったことを、神様にお願いすると思います。
こういったお祈りや神頼みは、変な話と思われるかもしれませんが、実はとても重要なことなんです。そして、それを裏付ける研究結果もあるのです。
がん患者さんにとっての宗教やスピリチュアルティー(精神性)の重要性
2021年のSupportive Care in Cancerという雑誌に報告されていた論文です。
アメリカでの研究ですが、乳がん患者さんにとっての宗教やスピリチュアルティー(精神性)の重要性について調査したものです。
19人の乳癌サバイバーに詳細なインタビューを行って、彼女たちが、どうやって、乳がんの診断や、副作用のあるホルモン治療を受け入れて、乗り切ることができたかを質問しました。
その結果、多くの患者さんで、宗教が、人生の意義やがんになったことの意味を教えてくれることで、乳がんや治療を受け入れるうえで大きなサポートとなった、ということでした。
たとえば、「がんになったことで、より信心深くなり、毎週教会に通うようになり、それが心の支えとなった」といったケースが紹介されています。
つまり、キリスト教でも仏教でもいいんですが、何らかの宗教を持つこと、あるいは、神を信じて祈ることは、心の安定につながるだけでなく、生きる意味を見いだすことにつながり、がんになった現実や、ともすれば心が折れそうになるつらい治療を受け入れることに役立つことがあるようです。
まとめ
もちろん、「神なんて信じない」という人もいるとは思いますが、お正月に神社でお祈りすることや、お正月にかぎらず、「神頼み」するということは、がん患者さんにとって意味のあることだと思います。
というわけで、今回は、がん患者さんにとっての神頼みの重要性というお話でした。
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