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食品添加物(超加工食)によるがんのリスクはどのくらい?

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食品添加物とがんとの関係については、相反する意見があります。今回は、超加工食および発がんリスクが指摘された添加物(硝酸塩、亜硝酸塩)とがん発症リスクとの関係についての研究を紹介します。

はじめに

食品添加物とがんとの関係については、「がんの最大の原因」という意見と、リスクは低いので「気にしなくていい」という意見があり、統一した見解は得られていません。

まずは、添加物がたくさん含まれている「超加工食」とよばれる食品の摂取とがんとの関係についての研究を紹介します。

超加工食とがんのリスク

「超加工食(ウルトラプロセスフード)」とは、製造過程で防腐剤や保存料、発色剤など多くの添加物を加えることによって、見た目を良くしたり、長期間常温で保存できるようにした食品のことです。

具体的には、

  • 袋詰めのパン・菓子
  • 袋入りのスナック類
  • デザート
  • 清涼飲料水(ソーダや砂糖入りのジュース)
  • ミートボール、チキンナゲット、その他の保存料を含む再構成肉
  • 即席めん、即席スープ
  • 調理済みの冷凍食料

といった食品です。

もちろん添加物が入っていない加工食もありますが、一般的に、超加工食の摂取量が増えるにつれて、添加物の摂取量が増える傾向にあります。

超加工食の消費量は、とくに若い世代を中心に、世界的に増えていて、健康に対する悪影響が懸念されています。

とくに、超加工食を食べ過ぎると、がんのリスクが増えるという研究結果が次々と報告されています。

2018年に、BMJ(ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル)という雑誌に報告された研究を紹介します。

フランスにおける10万人以上を対象とした大規模な前向き研究です。

食事内容についてのくわしいアンケート調査の結果をもとに「超加工食」の摂取量を計算し、その後の観察期間中のがん発症リスクとの関係を調べました。

その結果、超加工食を最も多く摂取したグループでは、最も少ないグループに比べて、すべてのがんの発症リスクが20%以上増加していました

さらに、超加工食の摂取量が増えれば増えるほど、がんのリスクが比例して高くなるということで、超加工食の割合が、食べもの全体の10%増加する毎に、がんを発症するリスクが12%増加するという結果でした。

がんの種類別には、乳がんのリスクが高くなるということがわかりました。

というわけで、超加工食を食べ過ぎると、乳がんなどのリスクが高くなるということです。

ただ、これはフランス人でのデータですので、日本人にそのまま当てはまるとは限りませんし、また、超加工食によるがん増加の原因がすべて添加物ではありませんが、ひとつの参考にはなると思います。

ハイリスクの添加物とがんとの関係

つづいて、添加物といっても様々な種類がありますが、なかでも、もっとも発がんリスクが指摘されている「亜硝酸塩や硝酸塩」のがんリスクについての最新の研究を紹介します。

亜硝酸ナトリウムなどの亜硝酸塩や硝酸塩は、ハムやソーセージなどの加工肉、イクラやタラコなどの魚卵製品の発色剤として使用が認められている食品添加物です。

今年の8月に、Int J Epidemiol という雑誌に報告された論文です。

フランスの10万人以上の成人を対象とした前向きの観察研究です。

24時間食べ物調査を行って、すべての食品(商品名、ブランド名などを明記)について、自然に含まれている量および添加物としての亜硝酸塩や硝酸塩の含有量を調査しました。

亜硝酸塩および硝酸塩の摂取量と、がんの発症率との関係を調査しました。

その結果、添加物としての「硝酸塩(とくに、硝酸カリウム)」を最も多く摂取していたグループでは、最も少ないグループと比べて、乳がんのリスクが24%増えていました

また、添加物としての「亜硝酸塩(とくに、亜硝酸ナトリウム)」を最も多く摂取していたグループでは、最も少ないグループと比べて、前立腺がんのリスクが58%増えていました

一方、亜硝酸塩および硝酸塩は水や土壌などにも自然に存在していて、野菜などにも含まれていることがわかっていますが、天然由来の摂取量とがんの発症リスクとの間には、相関をみとめませんでした。

まとめ

以上まとめますと、海外からのデータではありますが、超加工食や代表的な添加物を多く摂取することで、やはり、がんのリスクが増えるという研究結果でした。

今後、日本においても欧米と同様にますます超加工食の摂取量が増えることが予想されますので、それに伴って、がんの発症率が高まる危険性があります。

加工食品は、保存もききますし、簡単に美味しく食べることができてとても便利なので、ゼロにすることは難しいと思います。

ただ、できるかぎり摂取量を減らすことは、がんだけでなく、多くの生活習慣病の予防につながると考えられます。

日常生活でのアドバイス

というわけで、日常生活において、

  • なるべく自宅で生の新鮮な食材を調理して食べる、
  • 砂糖入り飲料やスナック菓子などを控えめにする、
  • (コンビニに行くと、ついつい美味しそうな加工食品を買ってしまうので)コンビニに行く回数を減らす、

といった工夫をすることをおすすめします。

 

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  • この記事を書いた人

佐藤 典宏

外科医(産業医科大学第1外科講師)/がん研究者/YouTube「がん情報チャンネル」登録者2万人突破!/著書に『ガンとわかったら読む本』『がんが治る人 治らない人』『がんにならないシンプルな習慣』など。がん患者さんと家族に役立つ情報を発信します。

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