2020年12月18日、大月書店から『がん手術を成功にみちびくプレハビリテーション:専門医が語る がんとわかってから始められる7つのこと』が出版されます。
がん手術前の「プレハビリテーション」について一般の読者さんに向けた初めての本になります。
がんの手術・治療をひかえた患者さん、とくに手術が延期となって不安を抱えている患者さんやご家族のかたに読んで頂きたい本です。
がん手術を成功にみちびくプレハビリテーション
本書では、がん患者さんが手術後の合併症を減らして早期に回復し、最終的にがんを根治するために、やるべき運動・栄養サポート・メンタルケアなどについて詳しく解説しています。
また、がん患者ひとりひとりのための「個別のプレハビリテーション」についても紹介しています。
目次
内容(目次)を紹介します。
第1章 がん手術を成功にみちびく準備(プレハビリテーション)
- 手術の合併症および死亡リスクを減らすプレハビリテーションとは?
- 手術前の準備(プレハビリテーション)のメニューと期間
- あなたにはどんなプレハビリテーションが必要か?
- 基本は規則正しい生活。引きこもりに注意!
第2章 プレハビリテーションの基本メニュー
- 運動(有酸素運動+レジスタンス運動)
- 栄養状態を改善する食事療法
- 不安や心理的ストレスを軽減する精神的ケア
第3章 がん手術前にすべきその他のこと
- 持病の治療をしっかりと
- 禁煙と呼吸訓練
- 手術前の口腔ケアの重要性
- 筋力・筋肉の量が落ちてきた人は筋トレ+タンパク質強化(プロテイン)
- 腸内細菌の調節
第4章 プレハビリテーション成功例
- 具体的なプレハビリテーション実施例
- がんの手術を乗り切った患者さんへ
コラム
- コラム1 手術をうける病院はどうやって選ぶべきか?
- コラム2 術前治療の患者さんの場合
- コラム3 がんの手術を控えた患者さんの家族へ
がんの手術前にやるべき7か条
本書の内容を一部紹介します。
「がんの手術前にやるべき7か条」です。
私はプレハビリテーションの基本メニューである運動、栄養サポート、および精神的ケアに、さらに4つの重要な項目を追加して、「がんの手術前にやるべき7か条」として、しかるべき患者さんにお伝えしています。
がんの手術前にやるべき7か条
- 運動(有酸素運動+レジスタンス運動)
- 食事療法による栄養サポート(タンパク質を意識)
- 精神的ケア(専門医受診や不安を軽減するための瞑想など)
- 口腔ケア(歯科医受診)
- 禁煙(喫煙者)および呼吸訓練(とくに高齢者や慢性閉塞性肺疾患(COPD)と診断された人)
- サルコペニア(筋肉やせ)の人は運動+タンパク質強化
- プロバイオティクスによる腸内環境改善
本書では、これらのプレハビリテーションのメニューについて具体的にわかりやすく説明しています。
がんの治療が中止や延期となり、不安を抱えている患者さんも多いと思います。
そのような患者さんに、「ピンチをチャンスに変えることができる」ということをお伝えしたいのです。
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