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お酒で顔が赤くなる人は注意!飲みすぎで食道がんのリスクが70倍超

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お酒で顔が赤くなる人(フラッシャー)は、飲酒量によって、ある特定のがんのリスクがすごく高くなるということをお伝えしたいと思います。

はじめに

今回は、お酒とがんとの関係についてのお話です。

とくにお酒で顔が赤くなる人は、ある特定のがんのリスクがすごく高くなるということをお伝えしたいと思います。

お酒を一滴も飲まない人もいらっしゃるとは思いますが、付き合い程度は飲む人や、毎日晩酌が楽しみの人も多いでしょう。

ただ、がんのリスクに関しては、やはり、最近の研究からは、少量のアルコールでも、がんのリスクが高くなることがわかってきました。

以前の動画で紹介しましたが、お酒によってリスクの高まることが確実、または、強く疑われる5つのがんは、食道がん、肝臓がん、頭頸部がん(口腔がんや咽頭がん等)、乳がん(閉経後乳がん)、そして、大腸がんです

お酒で赤くなる人は要注意!

このうち、要注意なのは、食道がんで、お酒を飲むと顔が赤くなる人が飲酒を続けると、食道がんのリスクが非常に高くなります。

日本人では、私もそうなんですが、お酒を飲んだときに顔が赤くなる人が多いのですが、このような人たちはアルコールを代謝する酵素(2型アルデヒド脱水素酵素:ALDH2)のはたらきが弱いことがわかっています。

この酵素のはたらきが弱い人がお酒を飲むと、アセトアルデヒドという発がん性のある物質の血液中の濃度が高まり、体の中に蓄積されることによって食道がんになりやすいことがわかっています。

じっさいに、日本人男性を対象とした研究があります。

2003年に、Cancer Epidemiol Biomarkers Prev という雑誌に報告された論文です。

この研究によると、お酒を飲んだときに顔が赤くなる人(あるいは、過去に顔が赤くなっていた人)のうち、お酒を飲まない人に比べて、少量(週に1~9単位)飲む人ではおよそ7倍、中等量(週に9~18単位)飲む人では43倍、そして大量(週に18単位以上)に飲む人では73倍も食道がんのリスクが高くなっていました

というわけで、酒を飲むと顔が赤くなる人は、アルコールによる食道がんのリスクが非常に高くなるということです。

また、市販の遺伝子検査キットで調べれば、アルコールを代謝する酵素のはたらきが強いタイプか弱いタイプかわかります。

飲酒をすることで食道がんのリスクがどのくらい高くなるかを知るうえでも役に立ちますので、一度受けてみてもいいと思います。

食道がんは、症状がでにくいこともあって、進行してみつかることが多いのが問題になっています。

進行がんに対しては、手術や抗がん剤、放射線を併用する治療が行われますが、治療がむずかしいがんの1つと言えます。

一方で、早く見つかれば見つかるほど、内視鏡による切除など、より体に負担が少ない治療が可能です。

タレントの堀ちえみさんは、舌がんの手術後に食道がんが見つかりましたが、非常に早期(ステージ0)であったため、内視鏡による切除だけで治療がすんでいます。

まとめ

というわけで、まとめですが、お酒を飲んで顔が赤くなる人、あるいは遺伝子検査によってALDH2の活性が弱いことが分かっている人は、お酒の量を控えること、そして、定期的に内視鏡検査を受けることをおすすめします

 

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  • この記事を書いた人

佐藤 典宏

外科医(産業医科大学第1外科講師)/がん研究者/YouTube「がん情報チャンネル」登録者2万人突破!/著書に『ガンとわかったら読む本』『がんが治る人 治らない人』『がんにならないシンプルな習慣』など。がん患者さんと家族に役立つ情報を発信します。

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