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【最強】がんのリスクを低下させる「おやつ」3選:がん患者さんにもおすすめ!

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がん予防の基本は生活習慣です。なかでも「食事(たべもの)」は毎日のことなので非常に重要です。とくに、おやつ(間食)はどうしたらいいのか、迷っている人もいると思います。そこで、今回は、研究によって、がんのリスクを低下させることが報告されている「おやつ」を3つ紹介します。

はじめに

がん予防の基本は生活習慣です。なかでも「食事」は毎日のことなので非常に重要です。

とくに、おやつはどうしたらいいのか、迷っている人もいると思います。

そこで、今回は、研究によって、がんのリスクを低下させる「おやつ」を3つ紹介します。

がんのリスクを減らすおやつ3種

1.ナッツ

ナッツには、不飽和脂肪酸、食物繊維、ビタミン、ミネラルなど、からだによい栄養素が豊富に含まれており、さまざまな病気を予防する効果があります。

とくに、エラグ酸(天然のポリフェノール)、オメガ3脂肪酸のα-リノレン酸などの抗酸化成分が含まれていて、がんを予防する効果があるということが、多くの研究で報告されています。

代表的な研究を紹介します。

2014年にニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディスンという一流医学雑誌に報告された研究です。

約12万人の人を追跡調査した最大規模の前向き研究で、ナッツを週に5回以上摂取していたグループでは、がんによる死亡リスクが11%低下していました。

また、ほぼ毎日食べるグループでは、すべての死因を含めた死亡リスクが20%も低下していました。

スペインでの地中海食の効果を調査したランダム化比較試験では、週に3回以上、握りこぶしくらいの量のナッツを食べる人は、がんによる死亡リスクが40%も低下していました。

また、がんの種類に関しては、36件の研究(合計で3万人以上の患者を対象)を、総合的に解析した結果、ナッツ類を最も多く食べるグループでは、大腸がんの発症リスクが24%、子宮内膜がんのリスクが42%、膵臓がんのリスクが32%低下することが明らかとなりました。

ナッツに関しては、大腸がんや乳がんの患者さんを対象とした研究で、がんの再発を減らしたり、生存期間を延長する作用も確認されています。

ですので、がん患者さんにもおすすめのおやつです。

ナッツの種類に関しては、ピーナッツよりも、ピスタチオ、アーモンド、ブラジルナッツ、カシューナッツ、ヘーゼルナッツ、マカデミアナッツ、松の実、クルミなどのツリーナッツ(木になるナッツ)がいいようです。

なかでも、ピスタチオやクルミがもっとも病気の予防効果が高いとされています。

また、ナッツはどうしても食べすぎによってカロリー摂取量が増えてしまうのが問題ですが、大きな袋ではなくて、一食ずつ小分けになったナッツにするといいですね。

あるいは、殻がついたピスタチオは、殻をむかないといけないので、食べるのに時間がかかりますが、これによって食べすぎを防いで、摂取カロリーが低くなるということです。

2.ヨーグルト

さまざまな病気の予防に、腸内細菌のバランスを整えることはとても大切です。

このバランス(腸内環境)が乱れると、がんを含めて色々な病気を引き起こすことがわかっています。

じっさいに、がんの人と健康な人の腸内細菌を比較した研究では、がんの人では、健康な人に比べて「細菌の多様性」が減っており、また、一部の悪玉菌が異常に増えていることがわかっています。

腸内環境を整えるためには、乳酸菌などの善玉菌であるプロバイオティクスと、そのエサとなる食物繊維であるプレバイオティクスをとる必要があります。

ヨーグルトは発酵食品で、ごぞんじのように乳酸菌やビフィズス菌など善玉菌がたくさん含まれています。

ヨーグルトの摂取によって、がんのリスクが低下するという研究を紹介します。

2020年に JAMA Oncology という雑誌に報告された研究です。60万人以上の男性と80万人以上の女性を対象として、ヨーグルトおよび食物繊維の摂取量と肺がんの発症リスクとの関係を調査した大規模な前向き研究です。

その結果、ヨーグルトをたくさん摂取するグループ(1日23グラム程度)では、ヨーグルトを摂取しないグループと比べ、肺がんのリスクが19%低下していました

さらに、ヨーグルトをたくさん食べ、かつ、食物繊維を最も多く摂取するグループでは、33%も肺がんのリスクが低下していました

従って、この2つの摂取には相乗効果があると考えられました。

というわけで、ヨーグルトは、がんを予防するうえで重要な食べものだと考えられます。

おすすめは、砂糖の入っていないプレーンヨーグルトに、善玉菌のエサとなるオリゴ糖をかけて食べる方法です。

こうすると、砂糖なしでも甘くなりますし、プロバイオティクスとプレバイオティクスの両方が同時に摂取できて理想的です。

3.ダークチョコレート

チョコレートの原料となるカカオ豆には、ポリフェノールが豊富に含まれています。

とくに、カカオの量が多いダークチョコレートには、赤ワインやコーヒーよりも、たくさんのポリフェノールが含まれているようです。

このポリフェノールには、活性酸素を取り除く抗酸化作用や炎症をおさえる作用があって、動脈硬化、高血圧や脳卒中の予防効果があることがわかっています。

また、ポリフェノールを多く摂取する人では、がんの発症リスクが低いことがわかっていますので、チョコレートはがんを予防する食べものとして期待されています。

チョコレートとがんのリスクとの関係についての最新の研究報告を紹介します。

今年の4月に Eur J Epidemiol という雑誌に報告された論文です。これは、フィンランド人の男性2万7千人以上が参加した大規模な前向き研究です。

今回の解析では、食事内容についてのアンケート調査から、チョコレートの摂取量を計算し、その後の心血管病、心臓病、そして、がんによる死亡リスクとの関係を調べました。

その結果、最も多くチョコレートを食べていたグループ(平均で、1日およそ12グラム)では、チョコレートを食べていなかったグループに比べて、がんによる死亡リスクが12%低下していました

チョコレートで血糖値が気になる人がいると思います。ただ、最近の研究では、砂糖が入っていないダークチョコレートでは、血糖値はあがらず、むしろ、血糖値は下がることが確認されています。

ですから、カカオの成分が高くて、できるだけ砂糖が入っていないダークチョコレート(ブラックチョコレート)をおすすめします。

まとめ

以上、がんのリスクを低下させる「おやつ」3つ(ナッツ、ヨーグルト、ブラックチョコレート)でした。

こういった食品はコンビニでも購入できますね。

 

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  • この記事を書いた人

佐藤 典宏

外科医(産業医科大学第1外科講師)/がん研究者/YouTube「がん情報チャンネル」登録者2万人突破!/著書に『ガンとわかったら読む本』『がんが治る人 治らない人』『がんにならないシンプルな習慣』など。がん患者さんと家族に役立つ情報を発信します。

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