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がんを克服する人に共通するメンタル7つ:再発・転移・切除不能でも長生きするサバイバーはどんなメンタル?

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進行がんでも長生きする人、または、手術できないほど広がっていたり、転移したがんがあっても、うまく付き合いながら生活している患者さんには、ある種の共通したメンタル(ものの見方・感じ方)があります。がんを克服する人の共通するメンタルを7つ紹介します。

はじめに

同じがんの、同じステージの患者さんに、同じような治療をしても、早期に再発する人と、再発せずに長生きする人に分かれます。

また、手術ができないほど広がったがんと診断されても、数年にわたって元気に生活し、外来に通ってこられる患者さんがいます。

このように、たとえ進行がんでも克服した人、または、がんがあってもうまく付き合いながら生活している患者さんをよく観察すると、不思議とある共通点があることがわかりました。

それは、もちろん患者さんによって性格や社会背景は違いますが、ある種の共通したメンタル(ものの見方・感じ方)を持っているということです。

今回は、がんを克服する人の共通するメンタルを7つ紹介します。

がんを克服する人に共通するメンタル7つ

1.がんを受け入れ、必要以上に怖れない

多くの患者さんは、がんの告知をうけたときには落ち込んでしまい、「私はいつ死ぬのだろうか?」「どんな痛みやつらい症状が出るのか?」と否定的なことばかり考えてしまいます。

また、手術を受けた後や、治療中でもがんの再発のことが頭からはなれず、中には生活に支障をきたしたり、うつ状態になったりする方もいます。

これは、ある意味、当然の反応なんです。

ただ、がんを克服した人は、徐々にがんになった現実を受け入れていきます。

たとえ落ち込んでも一時的で、長くは引きずりません。

将来についての心配や不安はあるんですが、必要以上に怖れません。なぜなら、がんを怖れても何一つメリットがないことを知っているからです。

むしろ、必要以上に怖れることは、食欲の低下や不眠の原因、あるいは精神的なストレスとなり、治療を受ける気力や免疫システムの機能を低下させる原因となってしまいます。

もちろん、完全にがんのことを忘れるのはむずかしいでしょう。

ただ、一日中がんのことを考えていたらストレスがたまり、治療にも前向きになれません。根拠のない自信でもいいんです。

「自分は大丈夫」と思い込み、がんのことを必要以上に怖れるのはやめましょう。

2.いつも笑顔でいる

がんを克服した人はくよくよせず、いつも笑顔でいます。

「がんになって笑顔になんてなれるわけがない!」と言われるかもしれません。

しかし、不思議なことに、無理をしてでも笑顔でいると、つらいことを忘れ、気分が晴れてきます。

また笑うことで、ナチュラルキラー細胞などの免疫細胞の活性が高まることもわかっています。

もちろん体調のすぐれないときや、きつくて笑顔でいられないときもあるでしょう。

そんなときでも一日に何度か鏡をみて、ステキな笑顔をつくってみてください。

3.自分でできること(セルフケア)を探す

がんを克服する人は、治療において、「おまかせします」と医療者に完全に依存するのではなく、うまく利用するというスタンスの人が多いと感じます。

また、病院での治療に加えて、「自分でできること(セルフケア)」を探し続けるという気持ちがあります。

たとえば、食事の工夫や運動、サプリメント、イメージ療法など、セルフケアを勉強して、試行錯誤して、できることを取り入れようとします。

自分の意思で治療法を選び、自分でもできるセルフケアをすることにより、「自分で治す」という積極的な気持ちと責任感が生まれます。途中で投げ出したくても、「自分で選んだのだから」とがんばれるのかもしれません。

4.経過に一喜一憂せず、つねに前向きに考える

がんの治療は、うまくいくことばかりではありません。

治療の効果が思わしくないこともあります。腫瘍マーカーが上昇して不安になる日もあるでしょう。

あるいは、副作用や合併症、あるいは後遺症などでつらい日々もあるでしょう。

ただ、がんを克服して長生きしている人は、ネガティブなことがあっても、一喜一憂することが少なく、あまり引きずりません。

いくら悩んでも、がんが良くなるわけではなく、むしろ心理的ストレスとなってがんを進行させてしまう可能性もあるのです。

心配なことは、遠慮せずに主治医や看護師に相談しましょう。そして、「今日は最悪だけど、明日はきっといい日になる」と考えましょう。

5.趣味や好きなことをあきらめない

がんになると、検査、入院、手術、抗がん剤治療、外来通院など、いろいろなことに時間と体力と気力を奪われ、「今までできていたこと」ができなくなることがあります。

ただ、がんになったからといって、趣味や好きなこと、楽しいことをあきらめる必要はありません。

がんを克服した人は、趣味や好きなことをあきらめません。

それどころか、がんになってから新しい趣味を見つけたり、温泉旅行や海外旅行に出かけたり、人生をエンジョイしています。

「がんになったから、できなくなった」ではなく、本気で探せば「がんでもできること」がたくさんあります。

それどころか、「がんになったからこそできること」もあるのです。

自分の趣味をあきらめず、好きなことを思いっきり楽しんでください。

6.まわりの人に甘えず自分の役割を放棄しない

がんになると、まわりの人が気を遣い、あなたの代わりにいろいろとやってくれるようになります。

たとえば、家庭で以前やっていた家事も他の人がやってくれるようになるでしょうし、仕事も休みがちになり、他の人があなたの仕事をするようになるでしょう。

しかし、これでは前向きに生きる気持ちが失われ、活動性が低下していきます。

がんを克服した人は、まわりの人に甘えず自分の役割を放棄しません。

「自分は必要とされている」「自分にしかできないことがある」と信じて、家庭、仕事、コミュニティーにおける役割をしっかりと果たします。

その結果、無理にでも体を動かすことが増えますし、役割や責任感が生きる力になることがあります。

7.感謝の気持ちを忘れない

がんになると自分の不幸を嘆き、感謝の気持ちを忘れがちになります。

まわりの親切や助言もよそよそしく感じるようになり、逆に「おせっかい」と感じたり、「自分の気持ちなどわかるはずがない」と、怒りをぶつけたくなることもあるでしょう。

がんを克服した人は、感謝の気持ちを忘れません。いつでも誰かに「ありがとう」と言っています。

自分を支えてくれる家族や友人、医療関係者に感謝します。

そして、自分が今生きていることに感謝します。感謝の気持ちはストレスをとりのぞき、きっとあなたの治療によい作用をもたらすと思います。

ですので、「ありがとう」と言ってみましょう。

まとめ

以上、がんを克服する人の共通するメンタル7つでした。

あくまで私の経験から得た印象ですから、すべての人に当てはまるわけではありませんし、統計をとったわけではありません。

こういう話をすると、それは結果論であって、がんが治ったからそういうメンタルになった、という人がいます。

でも、必ずしもそうではありません。

色々な患者さんをみてきて、私自身が勉強させてもらっているのですが、やはり、メンタルの持ち方で、がん治療がうまくいくかどうか、そして、人生を楽しく過ごせるかどうかが決まると実感しています

 

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  • この記事を書いた人

佐藤 典宏

外科医(産業医科大学第1外科講師)/がん研究者/YouTube「がん情報チャンネル」登録者2万人突破!/著書に『ガンとわかったら読む本』『がんが治る人 治らない人』『がんにならないシンプルな習慣』など。がん患者さんと家族に役立つ情報を発信します。

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