運動と癌との関係は?「サッカー選手のがん死亡率」についての最新の研究結果を紹介します。
はじめに
今回は、運動と癌との関係について、サッカー選手のがん死亡率というテーマでお話したいと思います。
定期的にスポーツをする人は、がんのリスクが下がることがわかっています。
以前の動画で、がんなどによる死亡リスクが減少する運動トップ3を紹介しましたが、第3位はウォーキング、第2位はランニングで、第1位は、テニスなどのラケットスポーツという結果でした。
では、激しい運動を仕事にしているアスリートではどうでしょうか?
サッカー選手のがんリスク
今回、プロのサッカー選手のがんの死亡率についての研究結果が報告されました。
Scandinavian Journal of Medicine & Science in Sports(Scand J Med Sci Sports)という雑誌に報告された論文です。
まずは、フランスのプロフェッショナル・フットボールリーグなどに登録されている選手を調査しました。
このうち、1968年1月から2015年の12月までに、プロリーグで、1回でも試合をしたことがある、6114人のサッカー選手について、死因を調査しました。
すべての原因による死亡率、疾患別の死亡率について、年代、年齢および性別で調整した国民データベースと比較しました。
その結果、まず、サッカー選手のすべての死因による死亡リスクは、一般の国民と比較して、31%低かったということです。
疾患別の解析では、心血管病による死亡リスクは18%低下しており、がんによる死亡リスクは33%低下していたということです。
一方で、認知症による死亡が増えて、一般の人の3.4倍にもなるということです。
やはり、ふだんから激しい運動をしているアスリートは、がんで死亡するリスクが低くなるという結果でした。
ただ、選手生命が終わった後の生活に関係しているのかどうかわかりませんが、認知症が増えるというのは気になりますね。
まとめ
というわけで、今回は、プロのサッカー選手のがん死亡リスクについてのお話でした。
ただ、こういう結果をみても、運動をすることはがんの予防にとって重要であることがうかがえます。
みなさんも、なにか1つ、ウォーキングやジョギングでもいいので、運動を続けることをおすすめします。
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